清水の舞台から飛び降りるつもりで会社の大幹部に突撃し、奇跡的に生還した余韻も覚め、数日たってようやく回転し始めた脳みそは、次にやることを提示してきました。
来年度の私の人事異動どーか動かしてくださいっ!と、おじさんにお願いして、力になってくれると言ってくれたまではいいものの、
「秋頃にトモちゃんが人事課に出す人事異動の希望調書のコピーを、僕にもください」
このセリフの意味を考えるたび、あるシンプルな疑問が深まっていくのです。
人事異動の希望調書…
人事異動の希望調書…
…………なにをどうやって書いたらいいんだろう…………
ちーん
異動希望を書くための材料がまずほしい
さて何から始めたらいいものか。
まず私は、組織のレールから完全に外れた社員であることです。これだけははっきりしています。
あのままモラハラに遭わず組織のコースに乗っていれば、今頃は昇格して、道内の遠い地方へ転勤していたかもしれません。 幸か不幸か、今は本社に通勤しておりますが、それがいいのか悪いのか…ともかくこのコースにはもう戻れません。
人事異動というのは巷ではよく言われているように、「受け手のOK」がとても重要です。
これがどういうことかというと、社員を引き受ける側の所属長が、これから自分の手の内に入ってくるという社員を、
自分がコントロールできる社員なのか?
他の社員とトラブルを起こさないか?
過去にわだかまりのある社員はいないか?
入ってきた途端に長期療養に入ったりしないか?
自分に恥をかかせないか?
などという視線で見ているのです。
要するに、「自分のチームを運営する上で支障ない社員なのか」を基準にして判断しています。
管理職がまず守るのは自分のチームです。問題のある社員を頼むから入れてくれ、引き取ってくれと隣のチームからどんなに懇願されても、NOとはねつけるのが正しい管理職の姿勢です。
私が所属異動をせざるを得なくなった原因となったモラハラ社員(女)も、当時の課長補佐が隣の課に「頼むからこの社員をそっちで引き受けてくれ」と頼んでいたようです。しかし、断固として断られてたのことです、そりゃそーだ^^;。
で、この問題社員(女)の引き受けを断ったのが、前回の記事の雄鶏野郎をヘッドハンティングした上司ですよ。 てめーがこの馬鹿女を引き受けなかったせいで私は精神病みかけたんだぞ。
てめーがあのバカ女を拒否ったのは管理職として正しかった、しかし、それはそれこれはこれだ。 覚えてろよ。
そうして私は前回の異動でキャリアを強制リセットされるという憂き目に遭いました。これがどういうことかというと、組織内において、
「何処の馬の骨とも分からない人」
になってしまったということを意味しています。
私の人となりや身分の安全を保証してくれる人が、誰もいないのです。これは痛い。
しかも、所属全体のモラハラだったため、 「すれ違うのもおぞましい」 という社員を何人も同時に作ってしまうという始末。
人事異動は 「一人動かすとしたら、その周りの5人は同時に動かさなくてはならない」 というものであり、社員が異動先でちゃんと働けるよう、仕事がきちんと回るよう、人間関係にも配慮されているものです。
こういうことを考えたら、私がはまれる所属は、思っているより少ないのではないか…。 そんな恐れもありました。
あとは少しばかり聞きかじった伝聞の情報が、断片的にあるばかり。 何かを判断するには、手持ちの材料があまりに少ないのです。私の今の状況をどう捉えたらいいのでしょう? これがわからないと、きちんとした異動希望調書が書けません。
こういう人事の微妙なことを聞ける人が、私にはもういませんでした。わからないことを色々聞ける場所が、どこかないものか…。
人事課の社員といちどちゃんと話をしてみましょう
社内イントラで検索すると「人事課よろず相談室」という制度があります。
キャリア形成、パワハラ、セクハラ、産休、子育てとの両立、介護などなど、あらゆる悩み事をききますよ、といううたい文句です。
もう人事の本家本元の所属に直接聞くしかないじゃないの。
この制度、実は前から知ってはいましたが、怖くて利用する気になれませんでした。 しかしもう、ほかにツテも手立てがありません。 正面からぶつかるしかありません。
私は疑問をそのまま放置しておくのは好きではありません。 モヤモヤしてしまって物事が手がつかなくなり、気分が悪くなってしまいます。 この状態を、できるだけ早く解決したい!
こんな時はまず行動です。 行動しなければ何もわからないまま、時間が過ぎていくだけの状況は、もう1時間だって耐えられません。 次の日、人事課相談室の直通ダイヤルにすぐに電話しました。
ワンコールですぐに相手が出ました。 事前に担当者名を調べていましたが、この人は人事課の管理職級の女性です。
担当者「はい、こちら人事課よろず相談室です」
私「△△課のパルプンテTOMOと申します。人事異動のことなどについて、いろいろ相談したいのですが」
担当者「わかりました。今日これから来れますか?」
はやっ^^;。今日これからって何。
しかし私の事務所は、本社とはかけはなれた辺境の地にあります。 本庁舎に在籍しているのなら、「ちょっと資料室行ってきます」と言って離席できるかもしれませんが、私の場合は年休を取らなければなりません。
こんなところまでぶっとばしたのはどこの誰だコラと言いたくなる衝動を抑え、
私「私の場合は年休を取らなければならないので今日は行けません。他に空いている日はありませんか?」
担当者「では明日ではどうですか? 私も午前中に来客がありますので…。人事課内の会議室が空いているのが、ここ数日では明日の午後しかないんですよ」
私「では、明日の午後に年休をとって行きます」
担当者「わかりました。では明日15時に来てくださいね」
と話して、電話を置きました。
話しやすい人ではありますが、人事課の管理職です。油断はできません。
部長の次は人事課です。
相談室といっても実態は「社内の人事情報収集窓口」
人事部に求められる能力で最重要視されるのは、一言でいえば「情報収集力」です。
円滑な組織運営のためには、その前提として現状に関する情報が必要で、社員が仕事環境に対してどのような思いを抱いているかを知ることが、人事施策を立案するうえでとても重要です。
必要とされる情報の中でも、特に大切なのは社員のナマの声です。
秋に行われる公式の面談で述べるような、頭の中で整理整頓された「意見」ではなく、腹の奥底にためた、ドロドログラグラした社員の本音が重要なのです。
そういう情報を、どんなささいなことでも人事部員がかき集めて持ち帰る。人事部にはそういう小さなチリのような情報が集約されていき、整理され関連付けられて分析の材料となり、人事異動の決定的な判断の動機となることがあります。
こんなエピソードを聞いたことがあります。
新年度の人事異動を決めるための人事課内の密室の会議室の中。ある社員を動かそうかどうかという微妙な時期の時、目を瞑って何やら考え込んでいた人事部長が突然こう言いました。
「ん、待てよ、そいつは確か○○年前に……」
と言って、何やらかなり昔のことを思い出し、その社員の異動が流れたか別の方向にそれたかということがあったそうです。
何のエピソードがあったのかまではわかりませんが、10年単位も前の社員の情報が人事部内(というより人事部長の頭の中)で蓄積されて伝わっていることが多々あります。
紙媒体でそういう記録は残していないのです。
こええええええええええ((((;゚Д゚))))
こういった社員の心中にうっ積する憤懣や些細な不満、隠された背景などをさりげなく拾い上げる装置のひとつが、こういった「よろず相談室」なんだろーなあ、とはうっすらわかっていても、私はそこは使い方次第でもあると思いました。
私にやましいことは何一つありませんので、逆に「私がどういう人間か」を印象付ける・知ってもらうために利用する、くらいの気持ちで行きました。
絶対来年度は異動内示をゲットする!!!
(退職準備が整ったら謝り倒す!!!!!)